:DVD『カンフーハッスル』

前に観た『少林サッカー』に比べ、映像の派手さと勢いは明らかに増加。アクションも更に大袈裟になって、兎に角演出の面白さは上がっている。だけれど……作品全体として評価するとどうか、と考えると微妙。演出が先行し過ぎていてストーリーが着いて来ていないというか、何だかストーリー練れないまま映像だけ先に出来上がってしまった印象。で、その点の未完成のせいでツボに入って来ないのだ。『少林サッカー』は設定こそ突拍子のないものであったけれど、ストーリーの運び方としてはオーソドックスによくまとまっていた。だからこそ映像も生きた。やはり観客を惹き込む物語性があって、そこから一気に現実を振り切る映像を合わせる事によってこそ「ありえねー」感が生まれるのだと思うのですよ。前に『美味しんぼ』でハンバーガーにおけるパティとパンズの組み合わせの話をやっていたけど、正にこれは凄く品質の高いパティをイマイチなパンズで挟んでしまったという表現が的確な感じ。残念。
因みにカンフーと言うと、私の中で最初に思い浮かぶのは『拳児』だったりする。元々は『JESUS』の方から作者繋がりで読んだのだが、中国拳法の知識も色々と入っていて導入としてはお勧め。

FURTHER READING:
松田隆智藤原芳秀拳児 1 (少年サンデーコミックス)
ついでにこちらも。
七月鏡一藤原芳秀ジーザス 1 (少年サンデーコミックス)