フィクションの整合性。

私の頭の中の消しゴム』はデヴィッド・リンチの『イレイザーヘッド』の韓国リメイク版だと知る人ぞ知る誰も知らない秘密を知っているほど映画通の私なので、毎年恒例となっている「その年一番ハマった映像作品の女優さんを年賀状にフィーチャーグランプリ」に一つもエントリーがない位最近映画もドラマも観ていないなあ、と改めて考え直すと感慨深い。一時期注目してたのは『東京フレンズ』で、映画通としては恐らく大塚愛が日本刀や鎖鎌を振り回すような作品ではないらしいという事はメディアに溢れる現代社会で断片的に流れ込む情報から薄々感付いてはいたのだが、『NANA』もそうだったんだけどああいう恋愛ものは絶対デヴィッド・リンチにメガホンを取らせればもう何人たりとも追い付けない位台無しの徹底的な名作へと生まれ変わらせてくれること間違いなしだと思うのだがなあ。ピストルズ・リスペクトのバンドがあんな甘ったるい歌詞作るんじゃねーよパンクなら『死ね死ね団のテーマ』でもカバーして歌っとけ。
そんな事を考えながら仕事をしていたら職場の先輩から何故か牛乳の200mlパックを2つほどお裾分けいただいたので、取り敢えず家に帰ってから玉葱を切り刻んでコンソメスープを作りおもむろにその牛乳をぶち込んでみたら微妙に「人造シチュー」乃至は「シチュー・オブ・ザ・フェイク」という出来になってしまったところに冷凍保存してあった玄米をついでに投入するとまあまあ食べられる味だね、と独白する位の代物にはなったので今日はミルク雑炊記念日(字余り)。そんな感じで今日も適当に自炊してのたのたと生き繋いでいるのだが、よく一人暮らしも半年を過ぎて結構メシは自分で作ってます、という話をすると「じゃあ大分料理の腕も上がったんじゃないの」などと言われたりするが手際や効率性を上げるのと味を上げるのは必ずしも比例しないのであって、手の抜き方というか適当に買い揃えたものや冷蔵庫に残っているものをパズルにして食い繋ぐ方策は随分覚えたが作るもののクオリティは上がるどころか下がっていても不思議ではないとそれだけは胸を張って言える。後は安く上がってお腹いっぱいという点か。ただそれはスナック菓子を安い駄菓子屋で3袋も買ってきてドカ食いすれば気持ち悪くなってその日一日他の食べ物は口にしたくないという状況になるであろうことも確かなので、コストパフォーマンスを上げる方法は他にいくらでもあるのである。別にそれを極めたい訳ではないのだが。