リアリティの代償。

サークルの後輩からメールが送られてきた。こいつが毎度毎度パソコンのトラブルを持ち込んでくる男なのでまたぞろ「インターネットに繋がりません」とかいう話なのかと思い開いてみると、「卒業が取り消されました」
何だとう!? 既に卒業式もとっくに済んだというのにそんな処分が下るとは、一体どういう……? 追申が届き「一からやり直しです」
こりゃあ只事ではないと思い電話をかけてみる。……何やら笑っているのを聞いて、はっとなった。「今日は何月何日ですか?(ニヤリ」もう受話器の向こう側のしたり顔を想像して地団駄を踏む。
考えてみればおかしいのだ、年度が変わってから卒業が取り消されるなんて。だが、5年生にもなって必修授業の履修登録を間違えてあわや4月の時点で6年生確定になりそうになったりするようなあの男だからこそ、今回の嘘は成功した。それは言わば、彼にしか出来ない役どころではあった。しかしそのリアリティを出して目論見を達成したとして、それは彼にとって勝ち負けではどう考えても負けだろう!……え?あ、はい、負け惜しみデスネそうデスネorz