本末転倒か付加価値か。

国立近代美術館に草間彌生の『永遠の現在』展を見に行く。招待券をとあるルートから2枚戴いたので高校の頃の同級生と一緒に行ったのだが大半は不評。どうも表現対象がはっきりしないというか、作品自体からモチーフの見えないものは肌に合わなかったらしい。むう。しかし私は私で、9月にゼミの合宿で行った新潟の草間彌生のオブジェが印象に強かったためもうちょっとカラフルな感じを想像していたのでちょっと全体的に重く感じた。いやきっとこちらの方が本領発揮なのだろうが。それでも、限られた空間を無限に感じさせる「水上の蛍」や「天国への梯子」などは十分に楽しめた。そう表現するのが適切か分からないけど。
純粋に作品全体を見て面白かったのはむしろ同時開催されていた木村伊兵衛展の方かも知れない。恐らく現像技術や印画技術がまだ発達していなかったためであろう画面の粗さはあるのだが、そんなものは写真の本質と何ら関わりのない事なのだと痛感させられる。被写体の魅力を引き出すために、この人はどのくらいの努力をしているのか気が遠くなるほどだった。
しかし、大学院の同じ研究科の人に偶然出会ったのは驚いた。世間は狭いなあ。