スタンス。

最近自分が大学院生である事を忘れがち。
いい加減修士論文の足音が聞こえ始める今日この頃。




読売新聞で、イラクの捕虜虐待事件についての記事を読む。
「何故普通の人達が虐待をするのか」に関するレポート。
アメリカでの心理実験の話を引用している。
映画『es』の元になった実験と、ミルグラム著『服従の心理』内で行われている実験らしい。
両方とも授業で触れた事があるので懐かしい感じ。


良心や善悪の判断というのは辛い。
そこに自分と他人を納得させる根拠がなければ、自分を否定してしまうから。
この非常にボーダレスな判断において、それ故に人は基準を求める。
「私の判断ではなく、そういう指令に従ったのだ。」
それはとても魅力的な方法だ。


そして権力もまた、そういった個人の心理を巧みに利用してくる。
例えば先日、イラクで拉致された邦人の一人が「そもそも海外でのボランティア活動は政府が奨励した」と言っていたが、これが事実とすればその一つの例証となるかもしれない。
ただそうなると、そもそもボランティア活動と言えるかどうか微妙なラインになる気はするのだが。