ネタバレ注意。

エントリーシートやら修士論文題目届やら書かなければいけないものは沢山あるのだがついダーラダーラと過ごしてしまう。
ダーラダーラ。




加藤元浩の『ロケットマン』を読む。
この作者の漫画は好きで、他に『Q.E.D.』も持っているが、そちらは謎解きが主題となっているのに比べてこちらの方は物語性自体に重心を置いている。
どちらも面白いのだが、前者が月刊誌、後者はその増刊誌に連載しているために発刊ペースが遅いのが玉に瑕。
まあそれもあって高いレベルが保たれている部分もあると思うし、何よりもこの作者に週刊連載をやらせようとしたらきっと死ぬと思う。




近所のワーナーマイカルシネマズに待望の『CASSHERN』を観に行く。
ここから先がネタバレ注意です。




前宣伝では多くの人が観たと思うけど、基本的に「キャシャーン大活躍」風に描かれていますが。
正義の味方がその力を振るって悪を打ち倒すものでは勿論なく、
最終的に和解が成立し平和な世界が創造される話でもなく、
戦いの果てに新たな希望を見つける、と見せかけてそうでもなく、
結局人間は強いけど弱くてエゴイスティックな部分が醜いけど美しい、そしてどうしようもない生き物である事を再認識させられる映画です。


というか、新造人間になってからの超パワーは全くと言っていいほど事態の収拾に役立ってないし。
確かに戦闘シーンの映像は凄いものではあるけれど、そしてその映像だけでも十分に観る価値はあるのだけれど、そしてその圧倒的な力の応酬を描けば描くほど。
ストーリーの中では、力技の解決が徹底的に空回りを続けるのです。
そして、どんなに憎しみの連鎖を断ち切ろうとしても、「愛する」という感情の果てにはどうしても憎しみが存在する可能性があり、一度それが爆発すれば逃れる事はできない、というジレンマ。
「個人的な憎悪で動けば物事は解決しない」というよくあるテーマのその一歩先に踏み込んで、そして絶望を引き出してしまった作品のように感じました。