戦略的な問題。

今回のイラクでの人質事件に関して、人質となった人々を擁護する言調は随分と迷走しているようで。
「Y新聞は国家の論理で報道していて個人の善意と情熱を理解していない」という、国家と個人の行動原理の違いについて話がされたり。
その一方で、「フランスの新聞ではこういった個人の行動が日本という国の評価を高めているのだから誇るべきだと記事に書いている」という、個人の行動を国家に帰属させて名誉回復を図ったり。
まあでも今回イヤというほど分かったのは、どんな思いで個人として行動しようとも、それにはお構いなく国家に対する質草として自らが機能してしまう、という事だと思う。


多分私自身もそうなのだが、どこかに依存している度合いが高い人間ほどその依存対象に気付かない、意識しないという部分があるのだろう。
例えば空気を、呼吸を私たちが意識して行っているわけではないように。
で、今日のニュースで「自己責任論はイラクでのボランティア活動に参加する意欲を削ぐ」と市民団体が政府に異議を申し立てたそうだけど、それも「国家から個人が独立して自由に振舞えると考える」事を是認すべし、という事に過ぎない。
つまり、自分の行動がどういうバックボーンを持ち、その行動がどのような影響を与えるのか考えずに行動する人を擁護しろ、と言ってるようにしか見えないのだ。
だからこれは、個人が国家に取り込まれてしまう現状を踏まえずに行われたどうしようもない戦略ミスに感じられてしまう。


あの連続した人質事件が自作自演でない限り、今言わなければいけない事、考えなければいけない事は自衛隊撤退とは違うところにあるように思う。




今日の夕食は餃子およびさらし玉葱のサラダ。
フライパンのテフロンが相当だめになっているため、餃子の皮がくっ付きまくる。
いい加減買い替え時だなあ。