例えばの話。

ペットを捨てる人は、今も多く存在する。
で、そういったペット上がりの野良猫っていうのは、大体野生が退化している場合が多いわけです。
そういった野良猫を放っておけない、といって保護したり餌を上げたりする人たち、若しくは組織というのも存在します。
ところが、野良猫から見ればそういう人たちも自分たちを捨てた存在と同じ「人間」という生き物。
時にはその生き物自体に拒絶反応を示す個体だって考えられる。
そういった野良猫に対して餌を与えようとしたボランティアの人が猫に引っ掻かれ、怪我をするという事態も十分考えられる事。
勿論一番悪いのは、このようにペットを捨てるという行為をした、つまり現状の問題点を作り出した飼い主たち。
ボランティアの人たちはそういった問題に心を痛め、行動に身を投じた「正義の人」でしょう。


しかし。


野良猫は通行人を無差別に襲ったのではなく、手出ししてきた人間を引っ掻いたのです。
むしろ状況を鑑みれば、手を出した時に拒絶反応があるかも、と考えその責任を引き受ける覚悟をするのは当然の反応。
こちらが誠意を尽くせば相手がそれに応えてくれる、というのは必要条件ではあっても十分条件ではない…それは悲しくも当然の、日常的な認識。


さて、「正義の人」が怪我をした事の責任は、どこにあるのでしょうか?


私は臆病者なので手を出す事はできません。
引っ掻かれると痛いので。