予定調和的暴走。

ニュースで大田区の中学生が3月に視聴覚室に立て籠もった事件について知る。
このくらいの頭の悪さがマスコミのステレオタイプには丁度いいらしい。
今更バトルロワイヤルを元ネタにして「皆さんに殺し合って貰います」むしろ格好悪さで伝説級です。
もしかして定期的にどこかから電波が出てランダムに中学生を操っているんじゃないか、と思われるくらい。
「どこか」ってのは○日とかかなあ。


拉致被害者の会に、小泉首相訪朝を非難した事に関して苦情殺到らしい。
確かに今回の一連の報道については、被害者家族の人が日本に来るのが悪いような印象すら受ける感じだったしなあ。
「マスコミ報道の仕方が問題」みたいなコメントを出してるみたいだけど。
その所為かもしれないが、最近の拉致問題に言及する団体は段々圧力団体じみてきているように思う。
知り合いが「あのくらいやらないと政治家は動かないで楽な方に流れる懸念がある」と言っていたけど、国民感情を逆撫でしてしまえば向こうの思う壺だし、戦略的に再考の時期に入っている気がするがどうか。




西尾維新の『サイコロジカル』(上・下)読了。
この「戯言」シリーズには、「戯言遣い」たる主人公が事件に巻き込まれつつ人格を再構築していく物語としての側面があるように思う。
その意味で今作は、その流れの一大転換点になるものかと思っていた……途中まで。
結局作者はまだまだこのシリーズを終わらせるつもりはないらしい、つまり主人公にそう楽に結末を与えて上げる訳ではないようだ。
確かにまだ「読者たる私」もこの物語の終末を望んではいないのだけれど。


もう一つ、今作では「天才」という問題について新たな機軸が出てくる点は面白かった。
100点以上を全て「天才」としか扱えない愚か者と、100点以上の世界を細分化してみる事ができる――しかし自身が100点以上は決して取れない――才人とどちらが幸福か。
自分自身、100点すらも取る事はできなさそうなので、そしてそれなら細分化できる目も欲しくないので、様々な逃避行動に出ていると感じる部分がある。
なので読んでる間中ずっと説教を食らっているような気分にちょっとなりました。