マクビティ。

土浦へ向かう。目的は、霞ヶ浦で開かれている飛行船のイベント。ドイツ製の飛行船、ツェッペリンNTのお披露目である。関係者のA沼先生や知り合いは金曜日から見に行ったりしているので、遅れ馳せながらの参加という事になる。上野駅から常磐線に乗り換えると、車内には何だか同じ匂いを感じる人々を見掛ける。きっとこの人々も同じ場所を目指しているに違いない、と思い心の中で勝手に「同志」と呼んでみる。しかし彼らは、土浦駅の一つ前の荒川沖駅で降車していくのであった。ち、裏切り者め。(理不尽)
このイベントが行われていたのは霞ヶ浦の駐屯地で、他にも生涯で初めて見たものがてんこもりではあった。戦車とか砲台っぽいものとか戦闘用ヘリとか。親子連れが多く訪れており、それらの展示物の前の子供達の姿を片っ端から記録すべくお父さん方は写真やビデオの腕を存分に揮う。でもあなた方のお子さんの後ろに見えるのは、ミサイルを打ち出すための射出口なんですけど。そんな前で子供にピースマーク出させてもなあ、などと突っ込みたい思いを抑えつつ、ツェッペリンNTの登場を待つ。

結論から言えば、ナマで見るツェッペリンNTは予想以上に凄かった。「凄いしか言えないのはジャーナリストとして失格だ」などと言われたけれど、それ以上の感想が思い浮かばないのだからしょうがない。後は「感動した」くらい。ぱくりじゃん。第一ジャーナリストじゃないし。

その姿は正に、空中の建造物と言うに相応しいものだった。今までにも他の飛行船を何回か見た事はあったのだが、今回の感動とは比べ物にならない。空中をゆったりと進む、偉大な白い船影。そうかと思うと、意外と速度を上げて頭上を突っ切っていく。静止した状態から少しづつ高度を下げて地上へと降り立ち、そこから一気に浮かび上がった時には思わず鳥肌が立った。今年一番の感動的な光景。

ちなみに後から話しに聞いたところによると、荒川沖駅からもこのイベント会場へのバスは出ていたらしい。事情も知らず裏切り者呼ばわりしてしまった「同志」に対し、自責の念を抱きながら思いを馳せる。ところで荒川の「沖」って、一体何処なんでしょう?