清算。

修士論文のレジュメを推敲しつつ、今日は今まで見ていなかった映像作品を観る。


最初に観たのは『水の女』。
映像がとても美しい。
青みがかった映像と晴れ上がった映像の両方を行き来する感覚が心地よい。


次に『Jam Films』。
飯田譲治はギャグに向かない。
堤幸彦の演出方法は面白いが、どうせなら本編でももう少しやらかして欲しかった。
岩井俊二は、やはり岩井俊二なんだなあ、という感じ。
他はそれなり、といったところ。
他の監督はあんまり親しんでないからかもしれないけど。




その後DVDを返却しに行ったついでにまた何か借りて行こうと考えたが、イマイチピンと来るものがない。
そこで、長年見て見ぬ振りをして来た問題に決着をつける事にする。


呪怨』及び『呪怨2』。
都市伝説というホラー的なテイストのふんだんに含まれるものを研究テーマとしているにも関わらず怖がりな私は、「資料として観ておかなきゃ」と考えつつこの作品との対面を先延ばしにして来た。
この点は先日観た『プロフェシー』も一緒。


帰宅後、資料として認識するために倍速にしつつ、それでも怖いので弟も道連れにして視聴。
呪怨』は、怪談話に触れる事で最終的に怪談話の要素として取り込まれていってしまう描写が一番怖い。
こういった部分は、都市伝説が様々な要素を飲み込みつつ定着するためのローカル化と伝播するためのグローバル化を繰り返す点と似ているかもしれない。
呪怨2』の方は、むしろ完全な妖怪話。
呪怨』ではどちらかというと元人間の「幽霊」として描かれていたが、こちらは完全なモンスター。
何より、それまでは霊の棲家に触れた者だけを対象として呪いを掛けていたにも拘らず、今回はトバッチリし放題なのはちょいと納得いかない。
それだけに余計怖かった、という部分もあるけど。



取り敢えず、また一つ借金を清算したような気分。
後は今晩うなされない事を祈りつつ。